「何なんだこれは―――!!!」





工藤邸の冷蔵庫を見た怪盗の絶叫である。


探偵とお付き合いすることになった怪盗は、とりあえず探偵の家へと足を運ぶことになったのだが。腹が減ったと小さく呟いて一度首を傾げた家主は、数秒後まぁいいかと頷いてその後全く何もする気配がなく。
それに呆れた怪盗が、仕方なく自分が食事を作ることを提案したまではよかった。


んが。


こんないつ買ったかわからない固形化した調味料類と、カラダバランス飲料と、10秒チャージ2時間キープで…
「いったい何をどう料理しろっつーんじゃー!!!!!!!!」

怪盗の後ろからひょこりと自宅の冷蔵庫を覗いていた探偵は、
そのまま食うのが一番だと、正しいけれどどこか間違ったことを呟いている。

その呟きに一瞬力の抜けかけた怪盗だったが、探偵を問い詰めるためにすぐさま立ち直ると、彼の両肩を掴んでガクガク揺さぶった。
「普段何食ってんだオラ!」
揺さぶられながら探偵は視線をさ迷わせる。
「え、あ〜〜〜〜〜〜えへ☆」
「えへじゃねぇ!」
可愛らしく小首傾げたって無駄だ!!!!

笑顔で誤魔化そうとした探偵に何かが切れた怪盗は、
「あーもーなんなんだ!お前がよくてもオレはまともな飯が食いたい!」
そういうと、怪盗の扮装もそのままに24時間営業のスーパーへと走って行った。


戻ってきた怪盗がキッチンに閉じ篭ること一時間弱。
おいしい食事が食卓にずらりと並んで。
「おぉ〜〜さすが!手先器用だな!」
「オマエだって出来るくせいに・・・」
「いや、面倒だから出来ねェ」
それは出来ないではなくてやらないだよメータンテー…。
そんな怪盗の嘆きを尻目に、
「つきあうってのもいいもんだなぁ・・・」
探偵は舌鼓を打ちながらそうのたまった。




「・・・何か違うダロ」






彼氏というより家政婦ですね。



























































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ありふれたネタですが。
懐柔には食事を押さえるのが一番。

スーパーを闊歩するKID…。通報されます。